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停電時に備える電力の目安|保つ時間と動かす時間を分ける

停電に備えて蓄電池に確保しておく電力の考え方を、冷蔵庫の保冷時間と家電を動かし続ける時間に分けて整理します。合計285Wを6時間動かすなら必要電力量は1.71kWhで、放電深度90%・変換効率90%なら定格2.11kWhぶんが必要です。

公開日:2026-10-15 最終更新:2026-10-15 監修:エネルギー計算ツール編集部

停電の備えは2つの時間を分ける

停電に備える電力を考えるとき、冷蔵庫の話は2種類あります。差さなくても冷気が保たれる時間と、蓄電池の電気で動かし続ける時間です。この2つを同じ「冷蔵庫何時間」と括で扱うと、備える量を過大か過小に間違えます。

  1. 保冷の時間:停電してコンセントから外れても、ドアを開けなければ庫内が冷たいまま持つきど。電気を使わないので、蓄電池の容量は関係しません
  2. 稼働の時間:蓄電池から電気を取って、冷蔵庫や照明、スマホ充電を動かし続ける時間。合計Wと時間に比例して電力量が必要になります

まずは保冷の時間でしのぐ範囲を決めて、残りの「本当に動かし続けたい時間」だけを電気側の備えに置き換えるのが、順として自然です。

保冷の時間は電気を使わない口径

北海道電力は、停電時にドアを開けない前提で「冷蔵庫の冷たさが保たれるのは2〜3時間だとされています」と説明しています。ただし「これは冷蔵庫のドアを開けない場合の目安です。設置場所や季節、天候、食品の保存状態などによっては、もっと短時間しか冷気を保てないこともあるので注意が必要です」と注記もあります。

パナソニックも同じく「停電時、冷蔵庫の保冷期間は一般的に2〜3時間と言われており」と記載し、日頃から冷蔵室は容量の7割程度に収めるなどの備えを挙げています。電力会社とメーカーの両方が、同じ2〜3時間という幅を置いているので、このページは幅のまま扱います。

つまり停電の最初の2〜3時間は、冷蔵庫の電気代も蓄電池の電力量も動きません。このぶんを「冷蔵庫用に◯kWh必要」と数えるのは二重計上です。

動かし続ける時間から必要電力量を出す

電気側の備えは、同時使いする家電の合計Wと、それを何時間動かしたいかで決まります。

必要電力量(kWh)= 負荷の合計(W) × 動かしたい時間(h) ÷ 1000

オムロンが載せている「冷蔵庫 50〜100 W/テレビ 100〜150 W/照明 50〜100 W(一部屋分)/スマートフォン 5 W」の合計約285Wで置き換えると次のようになります(放電深度90%・変換効率90%で割った定格容量ぶんも併記)。

動かしたい時間必要電力量目安となる定格容量
6時間1.71kWh2.11kWhぶん
12時間3.42kWh4.22kWhぶん
24時間6.84kWh8.44kWhぶん

冷蔵庫だけ(100W)を24時間動かすなら2.40kWhで、定格2.96kWhぶんです。逆に照明を大きめ、テレビを大型に揃えて合計355Wで24時間なら8.52kWhぶん、定格10.52kWhぶんまで上がります。同じ「1日」でも、4種を揃えるか冷蔵庫1台か、そしてWを何を選ぶかで3倍以上ちがうのが停電の備えの実態です。

家電別のWが決まっていないときは、公表値を並べた家電の消費電力一覧から選べます。

定格容量は必要電力量の1.23倍になる

使いたい電力量がそのままカタログの容量にはなりません。電池は保護のために一部を常に残し(放電深度)、直流から交流へ変換するときにも電気を失います(変換効率)。

必要な定格容量(kWh)= 必要電力量(kWh) ÷(放電深度 × 変換効率)

放電深度90%・変換効率90%なら掛けた値は0.81で、割る側は約1.23倍。6.84kWh使いたいなら 6.84÷0.81=8.44kWhぶんの定格容量が要ります。

この2つの割合は機種の仕様で決まる値で、公表された一律の係数はありません。当サイトは既定を90%・90%に置いているので、仕様書の値へ入れ直してください。逆算そのものは蓄電池の必要容量計算に置いてあり、Wと時間・放電深度・変換効率から定格容量が出ます。

公表値で見る容量別の使える時間

先に容量ありきの場合は、公表の使用可能時間と比べるのがはやいです。オムロンは合計約285Wの前提で次の動作時間を公表しています。

定格容量掲載元の公表当サイトの式(90%・90%)
6.5kWh約18時間18.5時間
9.8kWh約29時間27.9時間
12.7kWh約34時間36.1時間
16.4kWh約45時間46.6時間

この2列はぴったり合いません。掲載元の時間を割り返して「定格の何%が使えたか」を出すと、6.3kWhで81.4%・9.8kWhで84.3%・12.7kWhで76.3%・16.4kWhで78.2%と幅ができるからです。公表値には機種差込みの実効容量・変換ロス・電池保護の余裕が暗黙に織り込まれていて、一律の係数では再現できません。

この差は誤りではなく、公表値が機種ごとに出ている証拠です。自分の機種で何時間持つかは蓄電池使用可能時間計算で、定格容量・放電深度・変換効率・合計Wから使いたい時間が出ます。出典と公表値の表は蓄電池の充電時間・使用可能時間 公表値に並べました。

なお掲載元は「蓄電池ユニットが初期状態、満充電の場合」で「各家電の消費電力量で異なるため、動作時間を保証するものではありません」と明記しています。停電の当日は電池を使い切った状態から始まることもあるので、目安としては見ないでください。

充電の時間と電気代も備えの側

備えは「ためる側」にもあります。容量が大きくても、停電後に満充電まで何時間かかるかと、その充電の電気代は別次元の話です。

東京ガスは充電時間を「蓄電容量÷入力電力=充電時間」と示し、4.2kWh=約3時間・9.8kWh=約6時間・12kWh=約8時間を目安に載せています。入力電力1.5kWで割ると 2時間48分・6時間32分・8時間0分 になります。急速型の機種なら1時間あたり約4.0kWhまで上げられるとしており、9.8kWhでも2時間27分まで縮みます。蓄電池充電時間計算で、現在の残量から目標残量までの時間が出せます。

充電の電気代は、失われるぶんを支払う側になるので契約単価より高くつきます。効率90%なら実質34.44円/kWh(単価31円の場合)で、定格9.8kWhの満充電は1回337.6円です。ここは蓄電池充電電気代計算に出しています。

停電に備える電力を決める手順

  1. 停電時に動かしたい家電と、それを動かしたい時間を書き出す
  2. 冷蔵庫はドアを開けない前提で2〜3時間保たれるので、最初のうちは電気側から外す
  3. 残りの家電の合計W(ワット)を揃える
  4. 合計W × 時間 ÷ 1000 が必要電力量。ここまでは電池の話ではない
  5. 放電深度と変換効率で割った値が、確保したい定格容量(90%・90%なら1.23倍)
  6. 既存の機種があれば、公表時間と逆算した使える割合の幅で実際に持つかを見る

この手順の3〜5をまとめて計算するのが、上でリンクした必要容量計算のページです。補助金でもらえる量の基準が初期実効容量である点は、家庭用蓄電池の補助金の上限に置いてあります。

出典・データソース

  1. [kepco-teiden-reibou-koran] 北海道電力株式会社(かんでんWITH YOU)

    停電したら冷蔵庫は何時間もつ?停電時の対策や冷気を保つ方法を紹介!

    北海道電力は、停電時にドアを開けない前提で「冷蔵庫の冷たさが保たれるのは2〜3時間だとされています」と説明し、設置場所・季節・天候・食品の保存状態によってはもっと短くなる注記を添えています。これはコンセントから電気を取らないで保つ時間であり、蓄電池で動かし続ける時間とは別の口径です

    アクセス日:2026-10-15

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  2. [panasonic-teiden-reibou-juri] パナソニック株式会社(UP LIFE)

    停電で冷蔵庫は何時間もつ?中身を守る方法と停電時の保冷対策

    パナソニックも停電時の冷蔵庫について「保冷期間は一般的に2〜3時間と言われており」と説明し、日頃から冷蔵室は容量の7割程度に収めるなどの備えを挙げています。北海道電力の記載と同じ 2〜3時間 という幅で、ドアを開けない前提の目安です

    アクセス日:2026-10-15

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  3. [omron-chikuden-output-hours] オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(蓄電まるわかりナビ・停電時に使用できる電化製品・時間の目安)

    災害に備えて知っておきたい太陽光発電のこと|創エネ・蓄エネ・省エネの機器・ソリューションならオムロン

    オムロンは停電時に使用できる電化製品・時間の目安として「冷蔵庫50〜100W・テレビ100〜150W・照明50〜100W(一部屋分)・スマートフォン5W、合計約285Wの場合」で 6.3kWh=約18時間・9.8kWh=約29時間・16.4kWh=約45時間などを挙げています。蓄電池ユニットが初期状態・満充電の場合で、動作時間を保証するものではないと注記されています

    アクセス日:2026-10-15

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この記事が参照するデータ

よくある質問

Q. 停電時に備える電力はどうやって決めますか
A. 保冷だけしたい時間と、家電を動かし続ける時間を分けてから、動かし続ける側の合計Wと時間に注目します。合計W×時間÷1000が必要電力量(kWh)で、これを放電深度と変換効率で割った値が確保しておきたい定格容量です。冷蔵庫は差さなくても2〜3時間は冷気が持つので、このぶんは電気側から外せます。
Q. 冷蔵庫だけなら何kWh備えれば良いですか
A. 冷蔵庫を100Wとして動かし続けるなら24時間で2.40kWhぶんの電気です。放電深度90%・変換効率90%で割ると定格2.96kWhぶんになります。一方、ドアを開けなければ冷たさは2〜3時間保たれると記載されており、その間は電気を使いません。保冷をしのぐ前提なら、この容量まで備える必要はありません。
Q. 停電時に使う家電の目安はありますか
A. オムロンは「冷蔵庫 50〜100 W/テレビ 100〜150 W/照明 50〜100 W(一部屋分)/スマートフォン 5 W」「上記の家電、合計約285Wの場合」を置いて、6.3kWh=約18時間から16.4kWh=約45時間までの動作時間を公表しています。ただし「動作時間を保証するものではありません」の注記があります。
Q. どのくらいの世帯が停電に備えて蓄電池を導入していますか
A. 導入率の数値は、当サイトが現在出典を確認できている範囲に無いため載せていません。備える容量は世帯の家電構成と、停電で何を何時間動かしたいかで決まるので、一般的な導入率より、ご自分の合計Wと時間のほうが役に立ちます。