V2Hとは|電気自動車のバッテリーを家に使う
V2H(Vehicle to Home)とは、電気自動車のバッテリーにためた電気を自宅に供給する仕組みです。蓄電池との違い、停電時の使い方、令和7年度補正の補助金の上限を出典つきで解説します。導入を検討するときの確認点もあわせて示します。
V2Hとは何か
V2H(Vehicle to Home)は、電気自動車(EV)のバッテリーにためた電気を自宅に供給する仕組みです。充放電設備を家に設置し、EVと接続すると、車のバッテリーを家庭用蓄電池のように使えます。
EVのバッテリーは家庭用蓄電池より容量が大きいものが多く、数十kWhに達します。これを夜間の安い電気で充電して昼間に使ったり、太陽光発電の余剰をためて夜に使ったりできます。
充電にかかる電気代は、自宅では契約の電気料金単価(円/kWh)で決まりますが、外出先は 円/分 の時間課金が中心です。同じ支払額でも車の受電功率(kW)によって実質の 円/kWh が変わるため、自宅と比べるときはそこを揃える必要があります。その換算はEV充電料金計算でまとめています。
蓄電池と何が違うのか
いちばんの違いは「電気をためる場所」です。
- 家庭用蓄電池:蓄電専用の設備を新たに設置する
- V2H:EVに元々載っているバッテリーを使う
EVを持っている家庭では、専用の蓄電池を別に買わずに済む可能性があります。一方、EVを持たない家庭にはV2Hは成り立ちません。EVを走らせる分の電気もバッテリーから使うので、家に使える量は「走行に必要な分を残した残り」になります。
バッテリーの実効容量(実際に使える量)の考え方は家庭用蓄電池と同じです。実効容量の内訳を出すで、放電深度と変換効率を差し引いた使える量を確認できます。
戻る速さも専用の蓄電池とは別物です。スズキは自宅での充電設備について「自宅での充電は普通充電とV2Hの2種類があります。普通充電は3〜6kW、V2Hでは6kWの充電を行なうことができます」としています。V2H側の受電は6kWなので、残量から何%まで戻すのに何分かかるかは容量と区間で決まります。その計算はEV充電時間計算で、総電力量と充電したいSOCの区間、充電器の出力kWを入れると出せます。
停電時にできること
停電時、V2HはEVのバッテリーから家に給電します。バッテリー容量が大きい分、家庭用蓄電池より長時間のバックアップが期待できます。ただし次の2点は家庭用蓄電池と同じ注意が必要です。
- 放電深度と変換効率の分だけ、実際に使える量は減る
- パワーコンディショナの定格出力(kW)が、同時に使う家電の合計Wを超えると、その分は動かせない
何kWhを何時間バックアップしたいかは、必要な容量を逆算するで負荷と使用時間から試算できます。
補助金の上限は130万円
令和7年度補正の「充電・充てん設備等導入促進補助金」では、V2H充放電設備の購入と設置工事が補助対象です。個人宅の場合の上限は次のとおりです。
| 対象 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| V2H充放電設備(機器の購入費) | 1/2以内 | 750千円 |
| 設置工事費 | 定額 | 550千円 |
合計で最大130万円です。内訳と申請期間はV2Hの補助金に整理してあります。
導入を検討するときの確認点
- EVを所有しているか、または導入と同時に購入する予定があるか
- バッテリーの放電深度・変換効率と、走行に残す分を確認する
- 補助金の申請期間と上限額、併用できる自治体補助を確認する
- パワーコンディショナの定格出力が家の負荷に足りるか確認する
家庭用蓄電池とV2Hのどちらを選ぶかは、蓄電池とV2Hの違いで比較しています。
出典・データソース
- B
この記事が参照するデータ
よくある質問
- Q. V2Hとは何ですか
- A. V2H(Vehicle to Home)は、電気自動車のバッテリーにためた電気を自宅に供給する仕組みです。充放電設備を介して、EVの大容量バッテリーを家庭用蓄電池のように使えます。
- Q. 家庭用蓄電池とV2Hは何が違いますか
- A. 電気をためる場所が違います。家庭用蓄電池は蓄電専用の設備ですが、V2HはEVに元々載っているバッテリーを使います。EVを持たない家庭ではV2Hの利点が活かせない一方、EVを持っていれば専用の蓄電池を別に買わなくて済む可能性があります。
- Q. V2Hは停電時に使えますか
- A. 使えます。EVのバッテリー容量は家庭用蓄電池より大きいことが多く、停電時に長時間のバックアップが期待できます。ただし使える電力量はバッテリーの放電深度と変換効率で目減りします。
- Q. V2Hの補助金はいくらもらえますか
- A. 令和7年度補正では、個人宅の場合で最大130万円(充放電設備750千円+設置工事費550千円)です。設備の購入費は1/2以内、設置工事費は定額が適用されます。