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売電収入の計算方法

売電収入は売電量×買取単価ですが、2026年度のFITは住宅用24円→8.3円と途中で単価が変わります。前半と後半を分けて足す計算方法と、段替わりを見落とすと総額が大きくずれる理由を出典つきで解説します。

公開日:2026-09-14 最終更新:2026-09-14 監修:エネルギー計算ツール編集部

売電収入は売電量×買取単価

売電収入の基本式は単純です。

売電収入(円)= 売電量(kWh)× 買取単価(円/kWh)

売電量は、発電した電気のうち自宅で使わなかった余剰分です。年間余剰3,500kWhを単価14.58円/kWhで売れば、51,030円になります。売電量の出し方(発電量から自家消費分を引く)は自家消費率計算で扱っています。

問題は、2026年度のFITではこの「買取単価」が調達期間の途中で変わることです。ここを1つの式にまとめると間違えます。

二段単価の段替わりが計算を複雑にする

2026年度のFIT買取価格は、住宅用(10kW未満)が二段単価です。資源エネルギー庁の公表値をまとめると次のとおりです。

  • 1〜4年目 → 24円/kWh
  • 5〜10年目 → 8.3円/kWh

つまり同じ売電量でも、1〜4年目の年間収入と5年目以降の年間収入はまったく違う額になります。年間余剰3,500kWhなら84,000円/年から29,050円/年に下がります。

この段替わりを無視して「3,500kWh × 単価」と1本で書くと、24円を掛けるのか8.3円を掛けるのかで答えが2つ出てしまいます。だから前半と後半を分ける必要があります。区分別の単価と期間の一覧は売電価格(FIT価格)の年度別一覧にあります。

前半と後半を分けて足す

二段単価の計算は、前半ステージと後半ステージを別々に積んでから足します。

前半の年間売電収入 = 売電量 × 前半単価(24円)
後半の年間売電収入 = 売電量 × 後半単価(8.3円)
前半の合計     = 前半の年間売電収入 × 前半の年数(4年)
後半の合計     = 後半の年間売電収入 × 後半の年数(6年)
総売電収入     = 前半の合計 + 後半の合計

年間余剰3,500kWhの住宅用で当てると、前半84,000円×4年=336,000円、後半29,050円×6年=174,300円、合計510,300円です。この計算を自動で行うのが太陽光売電収入計算です。区分を選んで余剰電力量を入れると、前半・後半・総額・期間平均まで一度に出ます。

段替わりを見落とすと総額が大きくずれる

よくある間違いは、前半の高い単価のままで10年ぶんを計算することです。24円のままなら 3,500kWh × 24円 × 10年 = 84万円になりますが、正しくは510,300円です。27万円近い差になります。

逆に「8.3円では採算が合わない」と後半の単価だけを見るのも、前半4年ぶんの積み上げ(336,000円)を見落とします。どちらか片方の単価で判断せず、前半と後半を分けて合計することが重要です。

調達期間平均の単価の出し方

年間の概算を1つの単価で出したいときは、調達期間の平均単価を使います。

住宅用の期間平均単価 =(24円 × 4年 + 8.3円 × 6年)÷ 10年 = 14.58円/kWh

これは当サイトの算出値で、公表値そのものではありません。年間余剰3,500kWhなら 3,500 × 14.58 = 51,030円/年です。ただし特定の年の収入を知りたいときは、平均ではなくその年の単価(24円か8.3円)で計算してください。

一定単価の区分は単純に掛ける

二段単価なのは住宅用と事業用 屋根設置だけです。事業用の2区分は一定単価なので、段替わりを考える必要がありません。

  • 事業用(10kW以上50kW未満)… 9.9円/kWh 一定
  • 事業用 地上設置(50kW以上)… 9.6円/kWh 一定

どちらも調達期間20年で、年間余剰3,500kWhなら 3,500 × 9.9 = 34,650円/年、20年総額693,000円です。一定単価の区分は「売電量 × 単価」をそのまま調達期間ぶん掛けるだけで済みます。

FIPは単純な単価計算に載らない

FIP制度は市場価格に連動し、基準価格にプレミアムを上乗せする仕組みです。FITのような固定単価ではないため、「売電量 × 公表単価」という式には載りません。市場価格が上下すると収入も変動します。

FITとFIPの制度の違い、二段単価とプレミアムの関係はFITとFIPの違いにまとめています。

計算の手順

  1. 年間の余剰電力量(売電量)を確認する。売電メーターの年間値か、発電量から自家消費分を引いて求める
  2. 認定を受けた区分を確認する(住宅用/事業用 屋根設置/事業用10-50kW/地上50kW以上)
  3. 二段単価の区分なら前半と後半を分けて足す。一定単価の区分なら単純に掛ける
  4. 総額は「年間収入 × 年数」をステージごとに積んで合計する
  5. 太陽光売電収入計算に入れて、前半・後半・総額・期間平均を一度に確認する

買取価格は認定を受けた年度で固定されます。2027年度以降、事業用の地上設置はFIT・FIPの新規認定対象外なので、これから導入を検討している場合は年度の区分を確認してください。

出典・データソース

  1. [enecho-fit-kakaku] 資源エネルギー庁

    買取価格・期間等(2026年度以降)

    電源別の調達価格・調達期間と ※1〜※17 の注記。表は rowspan を使うため列の読み違えに注意

    アクセス日:2026-09-08

    A
  2. [meti-fit-surcharge-2026] 経済産業省

    再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します

    2026年度 賦課金単価 4.18円/kWh、需要家モデル 400kWh、算定根拠の3数値。2026年度以降の買取価格も同一発表

    アクセス日:2026-09-08

    A

この記事が参照するデータ

よくある質問

Q. 売電収入の計算式は何ですか
A. 基本は「売電収入=売電量(kWh)×買取単価(円/kWh)」です。ただし2026年度のFITは住宅用10kW未満が24円(1〜4年目)と8.3円(5〜10年目)の二段単価なので、単価が途中で変わる分を前半と後半に分けて足す必要があります。前半=売電量×24円、後半=売電量×8.3円、総額=前半×4年+後半×6年です。
Q. 二段単価はどう計算すればいいですか
A. 前半ステージと後半ステージを別々に計算してから足します。年間余剰3,500kWhの住宅用なら、前半の年間84,000円×4年=336,000円、後半の年間29,050円×6年=174,300円、合計510,300円です。単価を1つに決めて一括で掛けると、どの単価を選ぶかで答えが変わってしまいます。
Q. 調達期間の平均単価はどう出すのですか
A. 総額を調達期間の年数で割ります。住宅用は24円×4年+8.3円×6年=145.8円を10年で割って14.58円/kWhです。これは当サイトの算出値で、公表値そのものではありません。年間の概算を見たいときに便利ですが、特定の年の収入は24円か8.3円で計算してください。
Q. 事業用の売電収入も同じ計算ですか
A. 区分で構造が違います。事業用 屋根設置10kW以上は19円(1〜5年目)→8.3円(6〜20年目)の二段単価で、住宅用と同じように前半と後半を分けて足します。事業用10-50kWの9.9円と地上設置50kW以上の9.6円は一定単価なので、売電量×単価を調達期間20年ぶん掛けるだけです。
Q. 売電収入は確定申告にどう影響しますか
A. このサイトでは確定申告や所得税の計算は扱っていません。売電収入が雑所得や事業所得になるかの判定は、販売電力量や事業としての規模によって変わるため、税理士や所轄の税務署に確認してください。ここで扱うのは、売電量と買取単価から収入額を出す計算そのものです。