電気料金の内訳|4つの項目と計算式
電気料金の内訳を基本料金・電力量料金・燃料費調整・再エネ賦課金の4層に分け、東京電力の現行単価で実際の計算例を示します。400kWhと402kWhという2つの世帯モデルの違いも出典つきで解説。
- データ版
- 2026年9月分版
- 有効期間
- 2026-09-01 〜 2026-09-30
電気料金を構成する4つの項目
| 項目 | 何に対するお金か | どう決まるか |
|---|---|---|
| 基本料金 | 電気を届けられる状態を維持する対価。使わなくても発生する | 契約アンペア(または契約電力)に応じた固定額 |
| 電力量料金 | 実際に使った電力量そのもの | 単価 × 使用電力量。プランにより段階単価か一律単価 |
| 燃料費調整額 | 火力燃料(原油・LNG・石炭)の価格変動分の精算 | 調整単価 × 使用電力量。プラスにもマイナスにもなる |
| 再生可能エネルギー発電促進賦課金 | FIT・FIP制度で買い取った再エネ電気の費用 | 国が年度ごとに定める全国一律の単価 × 使用電力量 |
東京電力エナジーパートナー 従量電灯B 現行単価(税込)
| 区分 | 条件 | 単価 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 30A | 935円25銭 |
| 基本料金 | 40A | 1,247円00銭 |
| 基本料金 | 50A | 1,558円75銭 |
| 最低月額料金 | 1契約あたり(基本料金と電力量料金の合計がこれを下回る場合に適用) | 328円08銭 |
| 電力量料金 第1段階 | 最初の120kWhまで | 29円80銭 |
| 電力量料金 第2段階 | 120kWhをこえ300kWhまで | 36円40銭 |
| 電力量料金 第3段階 | 上記超過(300kWhをこえる部分) | 40円49銭 |
燃料費調整制度の基準値と直近の調整単価(東京電力エナジーパートナー 従量電灯B)
| 項目 | 値 | 注記 |
|---|---|---|
| 基準燃料価格 | 86,100円/kl | 燃料費調整の基準となる平均燃料価格 |
| 上限(平均燃料価格) | 129,200円/kl | 基準燃料価格の1.5倍(100円未満は四捨五入)。これを超える分は料金に反映されない |
| 上限の対象 | 規制料金プランのみ | 自由料金プランには上限が設定されていない |
| 下限 | 数値規定の記載なし | 東京電力エナジーパートナーの公式ページに下限の数値は示されていない |
| 調整単価 2026年8月分 | ▲10.27円/kWh | マイナス=料金を引き下げる方向 |
| 調整単価 2026年9月分 | ▲10.96円/kWh | マイナス=料金を引き下げる方向 |
| 調整単価 2026年10月分 | ▲9.30円/kWh | マイナス=料金を引き下げる方向 |
「標準的な世帯」の使用電力量は出典によって3つの口径がある
| 出典 | 使用電力量 | その数字が表しているもの |
|---|---|---|
| 経済産業省(2026年度 賦課金単価の報道発表) | 400kWh/月 | 総務省家計調査に基づく一般的な世帯の1か月の電力使用量 |
| 総務省統計局 小売物価統計調査 品目3511「電気代」 | 402kWh/月 | 従量電灯・アンペア制(契約電流50A)または最低料金制の電気料金を調べるための前提 |
| 東京電力エナジーパートナー(従量電灯B・30Aの料金試算) | 260kWh/月 | 同社の試算ページで使用される月間使用電力量 |
家計調査における電気代の実績値(二人以上の世帯・1か月あたり)
| 項目 | 値 | 注記 |
|---|---|---|
| 電気代 | 9,591円 | 2026年7月分 |
| 対前年同月比 | −12.0% | 2026年7月分 |
電気料金は4つの項目でできている
請求書の「ご請求額」は、4つの項目を足し引きした結果です。電気事業連合会が示している式は次のとおりです。
電気料金 = 基本料金
+ 電力量料金単価 × 使用電力量
± 燃料費調整単価 × 使用電力量
+ 再エネ賦課金単価 × 使用電力量
この4項目のうち、使用電力量に比例するのは後ろの3つだけです。基本料金は電気を使わなくても請求される固定費で、契約アンペアで決まります。節約を考えるとき、この違いが効きます。使用量を抑えて減らせるのは電力量料金・燃料費調整額・賦課金の3項目で、基本料金を減らすには契約アンペアそのものを見直す必要があります。
制度全体の位置づけは資源エネルギー庁の解説ページが一次情報になります。
東京電力 従量電灯Bの現行単価で計算してみる
内訳は文章で読むより、実際の単価を当てたほうが分かりやすいので、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bで計算します。前提は30A契約・使用電力量400kWh・2026年9月分です。
基本料金:30Aなので 935円25銭
電力量料金:従量電灯Bは3段階の単価になっています。400kWhを段階ごとに分けて掛けます。
最初の120kWh 120kWh × 29円80銭 = 3,576円00銭
120〜300kWh 180kWh × 36円40銭 = 6,552円00銭
300kWhをこえる分 100kWh × 40円49銭 = 4,049円00銭
計 14,177円00銭
燃料費調整額:2026年9月分の調整単価は▲10.96円/kWhです。
400kWh × ▲10.96円 = ▲4,384円00銭
再生可能エネルギー発電促進賦課金:2026年度単価は4.18円/kWhです。
400kWh × 4.18円 = 1,672円00銭
合計:935円25銭 + 14,177円00銭 − 4,384円00銭 + 1,672円00銭 = 12,400円25銭
この計算は当サイトで算出したものです。公表されている単価をそのまま掛け合わせただけで、値引きは含めていません。実際の請求額と合わない場合は、まず契約プランと使用電力量を確認してください。
値引きを計算に入れていない理由
国の電気・ガス料金支援による値引きが実施される時期がありますが、公表されている燃料費調整単価▲10.96円/kWhにその値引きがすでに織り込まれているのか、別建てで引かれるのかを確認できませんでした。織り込み済みなら二重に引くことになり、別建てなら不足します。どちらか分からないまま推測で数字を作るより、値引きを含まない素の計算式を示すほうが検証可能だと判断しました。
電力量料金が3段階になっている意味
従量電灯Bの単価は29円80銭 → 36円40銭 → 40円49銭と、使うほど上がります。120kWhまでは一番安く、300kWhをこえた分は一番高い単価です。
この構造には実務上の帰結があります。節電の効果は「最後の1kWh」に最も大きく出ます。月400kWhの世帯が10kWh減らすと、減るのは一番高い第3段階なので40円49銭の節約です。一方、月150kWhの世帯が同じ10kWh減らしても、減るのは第2段階なので36円40銭です。さらに月120kWh以下の世帯なら29円80銭しか減りません。
同じ10kWhの節電でも、もともとの使用量が多い世帯ほど得をする設計です。電気代が高くて困っている世帯ほど、節電の効き目が大きいということでもあります。
なお、300kWhをこえない世帯では第3段階単価はまったく登場しません。「自分の電気代はいくらになるか」を調べるとき、まず使用電力量が120kWh・300kWhのどちらの境を越えているかを確認してください。
燃料費調整は「上限がある」と知っておく価値がある
燃料費調整額は、火力燃料の輸入価格が動いた分を電気料金に反映させる仕組みです。基準となる価格(基準燃料価格)より燃料が高くなればプラス、安くなればマイナスになります。
この制度で押さえておく価値があるのは上限の存在です。東京電力エナジーパートナーの場合、基準燃料価格は86,100円/kl、上限となる平均燃料価格は129,200円/klです。129,200円は86,100円の1.5倍で、100円未満を四捨五入した値になっています。
86,100円/kl × 1.5 = 129,150円/kl → 129,200円/kl(100円未満四捨五入)
燃料価格が上限を超えて上がっても、超えた分は電気料金に転嫁されません。燃料価格が高騰した時期に電気料金が一定以上上がらなかったのは、この上限が働いたためです。
ただし上限が適用されるのは規制料金プランのみで、自由料金プランには上限がありません。同じ東京電力エナジーパートナーでも、契約しているプランによって燃料価格高騰時の守られ方が変わります。自分のプランがどちらかは請求書や契約書類で確認してください。
下限については、東京電力エナジーパートナーの公式ページに数値の規定が書かれていません。燃料価格が基準を下回り続けた場合にどこまで料金が下がるのかは、このページから確定できないため記載していません。
「標準世帯」のkWhは3つの口径がある
電気代の話題では「一般的な世帯は月◯kWh」という前提が頻繁に使われますが、この◯が出典によって違います。
経済産業省は2026年度の賦課金単価の報道発表で月間400kWhを需要家モデルとして使い、総務省家計調査に基づく一般的な世帯の1か月使用電力量だと説明しています。一方、総務省統計局の小売物価統計調査は品目3511「電気代」の前提として402kWhを定義しています。こちらは従量電灯・アンペア制(契約電流50A)または最低料金制という、契約条件まで指定した数字です。
さらに東京電力エナジーパートナーは料金試算で従量電灯B・30A・月260kWhというモデルを使っています。
3つとも間違いではなく、測っている対象が違います。他の記事やサイトで「標準世帯の電気代は◯円」という数字を見かけたら、そのkWhがどの出典由来かを確認しないと、同じ月の数字でも平気で数千円ずれます。
実際の家計はいくら払っているのか
総務省の家計調査によると、二人以上の世帯の1か月あたり電気代は9,591円(2026年7月分、対前年同月比 −12.0%)です。
この数字を上で計算した12,400円25銭と比べると、実際の平均的な家計は400kWhも使っていないことが分かります。ただし、9,591円を単価で割って「平均使用電力量は何kWh」と逆算するのは避けてください。家計調査の電気代は契約プランも契約アンペアも世帯ごとにバラバラで、燃料費調整や値引きの効果も混ざった実績値です。単一の単価で割っても意味のあるkWhにはなりません。
逆算できない代わりに言えるのは、「400kWhモデルの電気代」は平均的な家計よりかなり高い水準を見ているという点です。400kWhは省エネ対策の効果を示すときには保守的で安全な前提ですが、自分の家庭の予想額としてそのまま使うと過大になります。
内訳を知ると何が決められるか
4項目に分けて見ると、それぞれ効く対策が違います。
- 基本料金が高い場合 → 契約アンペアの見直し。使用電力量とは無関係に下がる
- 電力量料金が高い場合 → 使用量の削減、または時間帯単価のプランへの切替
- 燃料費調整額が大きい場合 → プランが規制料金か自由料金かの確認(上限の有無が変わる)
- 賦課金が大きい場合 → 使用量に比例するので削減か自家消費。単価自体は全国一律で選べない
賦課金の単価と年度別推移は再エネ賦課金の単価一覧にまとめています。
数値の有効期限
このページの単価は2026年9月分の燃料費調整単価を基準にしています。燃料費調整単価は毎月変わり、2026年10月分は▲9.30円/kWhと公表済みです。10月分の請求を計算する場合は▲9.30円/kWhに置き換えてください。
基本料金と電力量料金の単価、および再エネ賦課金単価は月ごとには変わりません。賦課金は毎年5月分、電力量料金単価は料金改定があった場合に変わります。
月額を試算する場合は電気代計算から行えます。使用電力量(kWh)と基本料金(円/月)を入力すると、ご請求額を4項目に分けて出します。契約アンペアそのものは入力しません。アンペアで決まる基本料金の額を、基本料金欄に入力します。このページで使った単価の出典はすべてデータソース一覧で公開しています。
出典・データソース
- A
- A
[stat-kakei-nenpo] 総務省統計局
家計調査年報(家計収支編)第2表 1世帯当たり1か月間の収入と支出 → 電気代 9,591円(二人以上の世帯、2026年7月分、対前年同月 −12.0%)
アクセス日:2026-09-08
- A
[stat-kouri-doukou] 総務省統計局
小売物価統計調査(動向編)調査結果品目3511「電気代」の定義口径 = 402kWh/月。経産省の 400kWh モデルとは別口径なので混用不可
アクセス日:2026-09-08
- B
- B
[tepco-chargelist] 東京電力エナジーパートナー
料金単価表‐電灯|電気料金プラン従量電灯B(税込)基本料金 30A 935円25銭・40A 1,247円00銭・50A 1,558円75銭、電力量料金 第1段階「最初の120kWhまで」29円80銭/第2段階「120kWhをこえ300kWhまで」36円40銭/第3段階「上記超過」40円49銭、最低月額料金 328円08銭。ページに最終更新日表示なし
アクセス日:2026-09-08
- B
[tepco-fuelcost] 東京電力エナジーパートナー
燃料費調整制度とは|燃料費調整制度(個人)基準燃料価格 86,100円/kl、上限 平均燃料価格 129,200円/kl(=基準×1.5)。規制料金のみ上限あり、自由料金は上限なし。下限の数値規定は記載なし
アクセス日:2026-09-08
- B
[tepco-fuelcost-newlist] 東京電力エナジーパートナー
燃料費調整単価等一覧|燃料費調整制度(個人)従量電灯B(特定小売供給約款・従量制・関東)2026年10月分 ▲9.30円/kWh、9月分 ▲10.96、8月分 ▲10.27
アクセス日:2026-09-08
このデータを使う計算ツール
よくある質問
- Q. 電気料金の内訳は何項目ですか?
- A. 基本料金、電力量料金、燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金の4項目です。式にすると「基本料金 +(電力量料金単価 × 使用電力量)±(燃料費調整単価 × 使用電力量)+(賦課金単価 × 使用電力量)」になります。
- Q. 標準世帯は400kWhですか、402kWhですか?
- A. どちらも正しい数字ですが、出典が違います。経済産業省は賦課金単価の発表で400kWhを使い、総務省の小売物価統計調査は品目3511「電気代」の前提として402kWhを使います。混用すると算出根拠が崩れるので、引用するときはどちらの口径かを明記する必要があります。
- Q. 燃料費調整額に上限はありますか?
- A. 規制料金プランにはあります。東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bでは、平均燃料価格が129,200円/kl(基準燃料価格86,100円/klの1.5倍)を超えた分は料金に反映されません。一方、自由料金プランには上限が設定されていません。下限については公式ページに数値の規定がありません。
- Q. 燃料費調整額がマイナスなのはどういう意味ですか?
- A. 燃料価格が基準より下がったため、料金を引き下げる方向に調整されているという意味です。2026年9月分の従量電灯Bは▲10.96円/kWhで、400kWh使った場合は4,384円の減額になります。