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蓄電池の必要容量の決め方|使う電気から逆算する

停電時に使いたい家電と使用時間から、必要な蓄電池容量(kWh)を出す手順を解説します。放電深度と変換効率で容量が上乗せされる理由と、補助金の基準額との関係を出典つきで整理しました。

公開日:2026-09-10 最終更新:2026-09-10 監修:エネルギー計算ツール編集部

必要容量は使いたい電気から決まる

蓄電池の容量選びで最初にすべきことは、カタログの容量(kWh)を眺めることではありません。「停電のとき、何を何時間動かしたいか」を先に決めることです。

冷蔵庫150W・照明50W・テレビ100W・ルーター10Wを同時に6時間使うなら、合計310Wです。必要な電力量は 310×6÷1000=1.86kWh。ここまでは定格容量ではなく「使いたい電気の量」です。

家電をひとつずつ積み上げたいときは家電ごとの消費電力量を出すを使ってください。消費電力(W)と使用時間から、1日・1か月・1年の電力量を家電別に足し合わせられます。

標準的な家庭の使用量は口径で違う

「標準的な家庭の月間使用量」は1つに決まりません。当サイトが出典を確認できている口径は次の3つです。

口径月間使用量何のための数字か
経済産業省 需要家モデル400kWh2026年度の再エネ賦課金単価の算定
総務省 小売物価統計調査 品目3511402kWh電気代の定義口径
東京電力 従量電灯B・30Aの料金試算260kWh料金単価表の試算例

同じ「家庭の電気使用量」でも、出所によって260kWhから402kWhまで開きます。容量の目安を語るときは「どの口径か」を言わないと、人によって答えが1.5倍以上変わります。自分の請求書の12か月分を使うのがいちばん確実です。

放電深度と変換効率で容量は上乗せされる

「使いたい電気」1.86kWhがそのまま定格容量にはなりません。蓄電池は電池を保護するために容量の一部を常に残し(放電深度)、直流から交流へ変換するときにも電気を失います(変換効率)。

放電深度90%・変換効率90%なら、使えるのは 0.9×0.9=0.81、定格の81%です。1.86kWhを使うには 1.86÷0.81≒2.30kWh の定格容量が要ります。

この割り算を代行するのが必要な容量を逆算するツールです。負荷(W)・使用時間・放電深度・変換効率を入れると、必要な定格容量(kWh)が出ます。放電深度と変換効率は製品の仕様書で確認して書き換えてください。

容量は大きいほど良いわけではない

停電に備えるなら容量は大きいほど安心ですが、費用は容量にほぼ比例して増えます。しかも家庭用蓄電池の補助金には補助率と上限額があるため、使いもしない容量を積むと自己負担が増えます。

いちばん確実なのは、実際にバックアップしたい電力量を先に出してから容量を決めることです。見積もりが大きすぎた場合は、使う家電の範囲や使用時間を減らす方向で調整します。

補助金の基準は実効容量

家庭用蓄電池の補助金(令和7年度補正)は、実効容量1kWhあたり3.45万円を基準額とします。実効容量とは「定格容量×放電深度×変換効率」で実際に取り出せる量です。基準額と補助率と上限額のうち最も低い額が交付されるため、容量を大きくしても補助金が際限なく増えるわけではありません。

家庭用蓄電池の補助金で基準額・補助率・上限額と申請状況を確認してから容量を決めてください。

容量を決める手順

  1. 停電時に動かしたい家電と、それぞれの使用時間を書き出す
  2. 家電の消費電力(W)を合計して必要電力量(kWh)を出す
  3. 放電深度と変換効率で割って必要容量(kWh)を出す
  4. パワーコンディショナの定格出力(kW)が、同時に使う家電の合計Wを超えるか確認する
  5. 補助金の上限と自己負担を確認して、容量と費用の折り合いを付ける

出典・データソース

  1. [meti-fit-surcharge-2026] 経済産業省

    再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します

    2026年度 賦課金単価 4.18円/kWh、需要家モデル 400kWh、算定根拠の3数値。2026年度以降の買取価格も同一発表

    アクセス日:2026-09-08

    A
  2. [stat-kouri-doukou] 総務省統計局

    小売物価統計調査(動向編)調査結果

    品目3511「電気代」の定義口径 = 402kWh/月。経産省の 400kWh モデルとは別口径なので混用不可

    アクセス日:2026-09-08

    A
  3. [tepco-chargelist] 東京電力エナジーパートナー

    料金単価表‐電灯|電気料金プラン

    従量電灯B(税込)基本料金 30A 935円25銭・40A 1,247円00銭・50A 1,558円75銭、電力量料金 第1段階「最初の120kWhまで」29円80銭/第2段階「120kWhをこえ300kWhまで」36円40銭/第3段階「上記超過」40円49銭、最低月額料金 328円08銭。ページに最終更新日表示なし

    アクセス日:2026-09-08

    B
  4. [sii-dr-katei-youkou] 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)

    令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領(1.1版)

    事務局=SII(幹事)+大日本印刷(DNP)。補助対象経費=設備費+工事費の2区分(設計費は対象外)。補助金基準額 3.45万円/kWh(初期実効容量・1台あたり)/補助率 3/10以内(設備費+工事費)/補助金上限額 60万円(1申請あたり)。補助金の金額は「①基準額+評価増額」「②(設備費+工事費)×補助率」「③上限」のうち最も低い額(1円未満切り捨て)。評価増額:レジリエンス +0.2万円/kWh・廃棄物処理法上の広域認定 +0.1万円/kWh(初期実効容量、重複可)。2025年度目標価格 12.5万円/kWh(設備費+工事費・据付費、税抜、蓄電容量)を上回る購入価格は申請不可。公募期間 2026年3月24日(火)〜2026年12月10日(木)、補助事業完了期限 2027年1月14日(木)。「補助金申請額の合計が予算額に達した場合、申請受付期間内であっても交付申請の受付を終了する」。⚠️ 原URLは海外IPを地理遮断(403)のため、web.archive.org のスナップショット経由で取得(2026-06-16 時点)

    アクセス日:2026-09-10

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この記事が参照するデータ

よくある質問

Q. 蓄電池の必要容量はどうやって決めますか
A. 停電時に動かしたい家電と使用時間を書き出し、家電の消費電力(W)の合計に使用時間を掛けて必要電力量(kWh)を出します。その値を放電深度と変換効率(どちらも90%なら0.9×0.9=0.81)で割った値が、必要な定格容量です。
Q. 標準的な家庭なら何kWhの蓄電池が必要ですか
A. 使用電力量の口径によって答えが変わります。経済産業省の需要家モデルは400kWh、総務省の小売物価統計調査は402kWh、東京電力の30A試算例は260kWhで、出所によって1.5倍以上開きます。自分の請求書の12か月分から決めるのが確実です。
Q. カタログの容量と実際に使える量は同じですか
A. 違います。放電深度(電池保護のために残す分)と変換効率(直流から交流へのロス)を差し引いた分だけ、実際に使える量(実効容量)は定格容量より小さくなります。放電深度90%・変換効率90%なら、使えるのは定格の81%です。
Q. 補助金を考えると容量は大きいほうが得ですか
A. 得とは限りません。補助金は実効容量1kWhあたりの基準額で算定されますが、補助率と上限額(令和7年度補正は60万円)があるため、使いもしない容量を積むと自己負担が増えます。実際に使う電力量から逆算するのが確実です。