蓄電池の実効容量とは|定格容量と使える量の差
蓄電池の実効容量とは、定格容量から放電深度と変換効率を差し引いた、実際に使える電力量のことです。定格10kWhが8.1kWhになる内訳と、補助金が実効容量で算定される理由を解説します。
実効容量とは実際に使える量のこと
カタログの「10kWh」は、そのまま10kWh使えるという意味ではありません。実際に取り出せる電力量(実効容量)は、次の2つを差し引いた残りです。
- 放電深度:電池を保護するため、容量の一部は常に残しておく
- 変換効率:直流から交流へ変換するときに失われる
放電深度90%・変換効率90%の機種なら、10×0.9×0.9=8.1kWh。カタログの数字から2割近く目減りします。この差を知らずに容量を選ぶと、停電時に足りないという事態になります。
内訳を3つに分けると検算できる
実効容量だけを見ると「残りの1.9kWhはどこへ行ったのか」が分かりません。3つに分けて考えると見通しが立ちます。
| 区分 | 式 | 10kWh・90%・90%の例 |
|---|---|---|
| 残量 | 定格×(1−放電深度) | 1.0kWh |
| 損失 | 定格×放電深度×(1−変換効率) | 0.9kWh |
| 実効容量 | 定格×放電深度×変換効率 | 8.1kWh |
3つを足すと定格容量に一致します。内訳を出すのは実効容量の内訳を出すで行えます。
最低残量と放電深度は同じ意味
メーカーによって「放電深度90%」と書くか「最低残量10%」と書くかが分かれます。両方は同じことの裏表で、放電深度=100%−最低残量です。
最低残量20%の機種は放電深度80%なので、10×0.8×0.9=7.2kWhになります。手元の仕様書の表記に合わせて読み替えてください。
補助金は初期実効容量で算定される
家庭用蓄電池の補助金(令和7年度補正)は、初期実効容量1kWhあたり3.45万円を基準額とします。「初期」が付くのは、購入時点の値で算定するためです。経年劣化で実効容量が減っても、申請の基準は新品時の値です。
家庭用蓄電池の補助金で基準額・補助率・上限額の組み合わせを確認できます。なお令和7年度補正の公募は予算満了で受付を終了しています。
使いたい量から逆算する手順
実効容量の計算は「容量から使える量」を出す向きです。逆に「使いたい量から必要な容量」を出すには、必要な容量を逆算するを使ってください。
- 停電時に使いたい電力量(kWh)を決める
- 放電深度と変換効率の積で割って定格容量を出す
- 出た定格容量を実効容量の計算に入れて、実際に足りるか確かめる
逆算と順算を突き合わせると、入力ミスや前提の置き違いを検算できます。
出典・データソース
- B
[sii-dr-katei-youkou] 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)
令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領(1.1版)事務局=SII(幹事)+大日本印刷(DNP)。補助対象経費=設備費+工事費の2区分(設計費は対象外)。補助金基準額 3.45万円/kWh(初期実効容量・1台あたり)/補助率 3/10以内(設備費+工事費)/補助金上限額 60万円(1申請あたり)。補助金の金額は「①基準額+評価増額」「②(設備費+工事費)×補助率」「③上限」のうち最も低い額(1円未満切り捨て)。評価増額:レジリエンス +0.2万円/kWh・廃棄物処理法上の広域認定 +0.1万円/kWh(初期実効容量、重複可)。2025年度目標価格 12.5万円/kWh(設備費+工事費・据付費、税抜、蓄電容量)を上回る購入価格は申請不可。公募期間 2026年3月24日(火)〜2026年12月10日(木)、補助事業完了期限 2027年1月14日(木)。「補助金申請額の合計が予算額に達した場合、申請受付期間内であっても交付申請の受付を終了する」。⚠️ 原URLは海外IPを地理遮断(403)のため、web.archive.org のスナップショット経由で取得(2026-06-16 時点)
アクセス日:2026-09-10
- B
[sii-dr-katei-site] 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)
家庭用蓄電システム等導入支援事業 特設サイト(令和7年度補正)公募終了の事実を逐字確認:「2026年5月29日(金)に交付申請額の合計額が予算に達したことを確認したため、公募は終了しました。交付申請受付期限:2026年12月10日(木)」。つまり令和7年度補正の国DR補助金は**受付終了済み**。⚠️ 原URLは海外IPを地理遮断(403)のため、web.archive.org のスナップショット経由で取得
アクセス日:2026-09-10
この記事が参照するデータ
よくある質問
- Q. 蓄電池の実効容量とは何ですか
- A. 定格容量(カタログの公称容量)から、電池保護のために残す分(放電深度)と交流へ変換するときのロス(変換効率)を差し引いた、実際に取り出せる電力量です。定格10kWh・放電深度90%・変換効率90%なら実効容量は8.1kWhになります。
- Q. 定格容量と実効容量はどれくらい違いますか
- A. 放電深度と変換効率の積の分だけ違います。どちらも90%なら0.9×0.9=0.81で、実効容量は定格の81%です。カタログの「10kWh」から約2割目減りすると考えてください。
- Q. 補助金は定格容量と実効容量のどちらで算定されますか
- A. 実効容量です。令和7年度補正の家庭用蓄電池の補助金は、初期実効容量1kWhあたり3.45万円を基準額とします。劣化後の値ではなく、購入時点の初期実効容量が基準です。
- Q. 仕様書の「最低残量20%」はどう読めばよいですか
- A. 放電深度80%と同じ意味です。最低残量と放電深度は同じことの裏表で、放電深度=100%−最低残量です。最低残量20%の機種なら、実効容量は定格×0.8×変換効率になります。